コラム 2018/11/11

|Déjà-vu的な!|#2 みんな頑張ってる

#2 みんな頑張ってる

高速バスで帰省。

妹と待ち合わせをしてランチ。
デザートはビュッフェだった。
全然写真撮れず。(手の影!)

お盆にはまだ歩けなかった1歳の甥が、ご機嫌ですたすたと歩いていた。
母は少し痩せていた。
(カーブスにまじめに行っているらしい。)
父は禁煙を試み、そして失敗していた。
いろいろなことが起きていた。

実際、3ヶ月で人は歩くし、痩せるし、諦めるし、喧嘩をするし、出会うし、別れる。
変化が訪れるのに時は関係ない。
甥っこも母も(一応父も)、その最中にある。
頑張ってる、えらい。

夜、私は友達と約束してるからごはんいらないんだけど、買い物を手伝う。
スーパーで献立を悩む母が「ねえねえ、お雑煮って変?」と聞いてきた。
あっちゃん(叔母)が、餅つき機でついたお餅を大量にくれたらしい。
(あっちゃんはいつもこの時期、年末の練習のためにとお餅をつく。)

えっ、変じゃないけど・・うん、べつに変ってことはないけどさ・・。
夕ご飯にお雑煮ってある?あるの?

うちに帰って、今日のごはんお雑煮なんだってー、と言うと、妹がよろこんでいた。
そうだった、この人、むかしからお餅が大好物なんだった。
「私、お餅みっつにする!」と張り切っていた。
父も、じゃあ今日はお酒やめとくわと。
ていうかお雑煮ありなんかい。

お出汁のいいかおりがしはじめて、さっき「お雑煮かあ」って思ったの反省。
ごめん、食べたい、やっぱり、お雑煮!今!みたいな。
たっぷりのお野菜とあつあつのお出汁とつきたてのお餅!
ぜんぜんビール飲める!
しかし、あとからご飯食べられなくなるの嫌だから必死で耐える。

東京からちょうど戻って来ているMと。
Mと会うとき、いつもお肉食べてる気がする・・・。
ハム、モツ煮、ハラミのブロックの炭火焼きなど。
M、野菜サラダを飲み物のようにおかわりしていた。

「ちょっと聞いて最悪ー!最後の最後で、切符切られたー!」とMは落ち込んでいた。
朝から親戚全員の送り迎えをひとりでこなし、いろんな話をまとめ、みんなを送り届け、レンタカーを返す時間がせまり、バス専用レーンが解除になる5分前にちょっとだけ通ったら、ハイ止まってーって!
今、ここ150メートル走ったよねって。
すごく頑張ったのに、なんでこんな目に!と。
・・・・。
Mーーーー。
あんた悪くないよ!えらいよ!頑張ったよ!

人生いろいろ。
言っちゃえばそれだけっていうか、誰だっていろいろあるし、比べて楽になることってどうせないと思うし、自分の人生は自分で背負って行くしかない。
今、彼女が直面しているシリアスな問題も、私が抱えている悩みも、3ヶ月もすればきっと今と同じではない。
それはわかってる。
でもだからって、なんでもないことみたいにできないときってある。
誰だって大変なんだから、このくらい平気、って思えないときもあるんだよね。

そういうときの、そのはみだしちゃう(しまっておけない)部分は、怒りとか、悲しみとか、絶望とか、まあどんな呼び方でもいいけれど、無視しちゃいけない。
友達に愚痴るんでも、どっかに書くのでも、相手(もしいれば)と取っ組み合いの喧嘩をするんでもいいから、とにかく、ちゃんと、自分が傷ついていることを、世の中に(誰もみてなくても)表明するっていうか。
せめて自分だけは、知っておいてあげなきゃ。
この夏、私はそれがちょっとわかった。

私たちは、しっかりとお肉を食べ、ワインを飲み、たくさんおしゃべりをした。
まだまだこれからだよ!だから私たちぜったい長生きしようねと約束した。
そしておばあちゃんになっても、お肉食べてワイン飲もう。

ひさびさにMがたばこを吸っていた。

Mと別れ、駅から家まで歩く。
タクシーから降りてきた人がいきなり蹴つまずいて、植え込みに倒れこんでいた。
その人が漫画みたいな千鳥足だったので、私だけじゃないんだと思ってほっとする。
私も、この同じ道を、酔っ払って、はんぶん寝ながら、蛇行しつつ歩いて帰ったことが何度あるか!笑
そのあとかなり向こうのファミリーマートで一緒になった。
(なぜタクシーあそこでおりたし。)

今もまだ、きっとたくさんの人が酔っ払って、人生いろいろの話をしている。
みんな頑張ってる。

 

 

Text&Photo: Azusa Hamaguchi

1975年生まれ。地方都市→東京→結婚して、わりと田舎へ移住。
フリーのグラフィックデザイナー。夫と二人暮らし。
お酒が好き。食べ物と暮らしを「妄想」するのが趣味。

 
Déjà-vu的な! 一覧へ
他の読みものを探す