あさのさとこの猪凸猛進! 2019/07/30

あさのさとこの猪凸猛進|日本の田舎 中山間地域の可能性とは

高知県のお仕事で、中山間地域のビジネス創造のお手伝いをさせていただくことになりした。

人口減少と産業縮小が最大テーマの中、森林率84パーセントの高知では「中山間地域」という言葉があらゆる方面から聞こえてきます。

山と暮らす人々。山の暮らしの知恵。

普段食について学んでいても、あらゆる山暮らしの歴史や今も大切に受け継がれる工夫が見えてくるのが高知の面白さの一つだなと思っていました。

そんな中今年お手伝いする地域の1つは、高知に来てから意外にも実は来たことがなかった馬路村(うまじむら)。

ごっくん馬路村という柚子ドリンクや、柚子ポン酢で有名な村です。

そしてその馬路村中心部からさらに30分 車で山を登り、突如現れるのが魚梁瀬(やなせ)ダム。

戦後の日本が電力不足の打ち手のひとつとして、発電するために作られた美しいエメラルドグリーンのダム。その底には、今も昔の集落が沈んでいます。

ダム建設の反対運動が起こる中、当時の溝渕知事は地域に寝泊まりしながらお酒を酌み交わし、住民の方々と腹を割って何日も話し合いをしたそうです。

その末に決まった集落の集団移転。

ダム建設で人口約1000人(当時)の地域に約3000人の工事関係者が住み込み、賑わった町。

その後林業拠点の縮小とともに地区を去らざるを得なかった地元の職人さんとその家族。

ダム底の故郷を想いながら、地区会長さんが教えてくださいました。

現在、人口170人の魚梁瀬地区。

高知県には珍しく、食の特産品はありません。

昨年の西日本豪雨では、たった4日間で関東で降る1年分の雨が降ったくらい、自然災害とともに強くなった地区。

今も現役で走る木を運ぶ汽車がめちゃくちゃオシャレで粋な地区。人口170人の中に地元の劇団があり、演劇ステージのある地区。地区で親しまれる温泉の壁面には、柚子の木が描かれていました。

さて、この地区で何が生まれるか。

期待される答えはないし、既成概念にとらわれる必要もまったくない。

生まない、という選択肢もあるかもしれない。

わたしはここの方々の心の奥の話を聞いて、導かず寄り添いたいと思います。

日本の未来を先取りして見たような不思議な感覚に包まれながら、地域の人とお酒を呑んで、話を聞いて、泊まる。

この国はどこへ行くのでしょうね。

わくわくもあり、少し怖くもあり、昨晩はそんな夜でした。